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2010年2月12日 (金)

単独行の遭難対策 その1 単独行=遭難か?

 登山をする以上、遭難を無視してはいけない。単独行=遭難のような風潮も一部にあるようだが、実際にそうなのか検証してみる。

 2008年中の山岳遭難の概況は、警察庁のサイトにまとめられている。
http://www.npa.go.jp/safetylife/
chiiki28/h20_sangakusounan.pdf
 この報告は、2009年7月に出されたもので、現時点では最新である。遭難が数値化されているので、先ずはこの報告の検証から始める。

 先ず、この報告で注意すべき点は、登山による遭難だけをまとめたものではない。この報告書の山岳遭難の定義は、登山に加え、山菜・キノコ取り、渓流釣り、作業、観光なども含まれている点である。
 山岳遭難者数は、1933人。遭難者数の内訳は、登山1281人(全体の66%)、山菜・キノコ取りが417人(22%)となっている。登山の内訳は、所謂登山が1087人、ハイキング101人、スキー登山51人、沢登り18人、岩登り24人である。通常の登山は、ザックリ半数を占め、1/4が山菜・キノコ取りであることが分かる。
 遭難の原因は、道迷い769人(40%)、滑落350人(18%)、転倒265人(14%)、転落102人(5%)、病気170人(9%)、疲労89人(5%)になっている(これらの原因だけで約90%)。
 年齢層は、60代以上で全体の52%を占める。特に60代が突出していて30%にもなる。
 単独行による遭難者数は、598人で全体の31%。この598人おける遭難発生状況の割合は、死亡・行方不明が23%(137人)で、グループ(パーティー)の11%より死亡・行方不明の可能性が高いと言える。負傷は単独33%、グループ(パーティー)の38%で単独行の方が少ない。※この報告書には、残念ながら単独行の遭難原因を個別に記載していない。

  次に山と渓谷社『山で死んではいけない』2009年発行版では、興味深い記載がある。5ページ『だいたい1930年代後半から1940年代生まれの人が、登山ブームの主役であり、同時に遭難者数の多い年代として、年毎に移動してきた』とある。この意味するところは、『現在もそうであるが、過去もこの世代が遭難者の多い世代である』と言っているのである。※この本も元となる数値は警察庁の統計です。

 警察庁の統計、山と渓谷社の本をまとめると次のことが言える。
1.60代以上が遭難の半分を占める。そして、特定の世代の遭難が多い。(1930年代後半から1940年代生まれ)
2.道迷いが全体の40%を占める。道迷い、滑落、転倒、転落、病気、疲労で90%を占める。
3.単独行の遭難者数は全体の31%で、単独行の方がグループ(パーティー)より死亡・行方不明のリスクが2倍。

となる。


 次に、遭難の原因は、道迷い、滑落、転倒、転落、病気、疲労で90%を占めるが、単独行であるが故に危険と言えるのはどれか?私は、グループ(パーティー)でも単独行でも差はないと考える。差が出るのは、事後処理、つまり、自分がトラブルに遭遇したときに仲間が助けを呼べるか呼べないかにある。
 道迷いは仲間も道に迷っているが、それ以外の滑落、転倒、転落、病気、疲労は、仲間の手助けを得ることが出来る。

 では、単独行はどのようなことを心がければよいか?先ずは、全体の40%を占める道迷いをしないように心がけることだろう。何故なら、道迷いは、遭難の+αへつながる。+αとは、道迷いで沢や崖に出てしまい滑落や転落、焦りで転倒、そして歩きすぎて疲労、疲労から病気につながる可能性もあるからだ。
 この+α分がどの程度あるか不明確であるが、少なくとも10%程度はあるのではないかと思う。故に、道迷いの回避は、遭難を40%+10%=50%減らすことが出来ると考える。
 年齢が60歳以下の人が道迷いを無くすことが出来れば、遭難をかなり減らすことが出来ると言える。


 問題の道迷いを避ける為にはどうすればよいか? 先ずは事前の調査で、コース(推定歩行時間含む)を頭に入れること。そして、歩行中の分岐点では、最低でも頭に入れたコースと照らし合わせ、出来れば地図と照らし合わせて現在位置確認をすべきである。このとき、時間と場所をメモる、写真(デジカメ)を撮って、頭に頼らない記録を残すことが重要である。これは迷っているにも関わらず、自分が迷っていないと錯覚してしまうことを避ける為である。

 私は地形図信者ではないので地形図を持参と言わないが、登山地図(マップルなど)は必ず目を通しかつコンパスと共に持参したい。GPSは有効ではあるが、電池が無くなれば無用の存在である。原始的な地図とコンパスを必ず同時に持ちたい。


 多くの人が現在単独行を楽しんでいる。単独行は、遭難しない工夫が最も重要である。

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