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2010年2月23日 (火)

単独行の遭難対策 その3 低体温症対策 (体感温度の算出含む)

 単独行の遭難対策について、過去2回記した。3回目は低体温症対策。冬山へ行く人向けではなく、どちらかといえば春から秋にかけての話。

1.低体温症のレベル
 低体温症は、大きく3つ「軽度」、「中度」、「高度」に分けられる。それぞれ体温が35ー32度、32ー28度、28度以下に分けられる。中度以上は、うとうとする等の意識障害が発生し、自ら対策を打ち難くなるので、単独行の場合、死の可能性が高くなると言える。故に単独行は、最悪でも「軽度」の状態で食い止める必要がある。
 では、軽度とはどのレベルか? 「ふるえ」が起きている状態である。冬の寒いときブルブルするアノ状態。「ふるえ」は、筋肉を動かし熱を発生させて危険を回避する人間の防御反応、条件反射である。正直、「ふるえ」が低体温症の始まりであることを知ったとき驚いた。

2.低体温症の原因と対策 ふるえない為に!
 低体温症の原因は、濡れ、疲労、低温、風の4つ。
① 濡れないこと。
濡れないとは、肌が雨、霧、汗に濡れないことである。当然、川や池に落ちて濡れたも含まれる。濡れたら着替えるしかない。グループ(パーティー)なら着替えの融通も可能だろうが、単独では自分が持っているものが全てである。
単独行ではアンダーウエア1枚の着替えを用意したい。更にその1枚を濡らさない対策、例えば、1月26日のブログ「ザックの詰め方/雨対策編」で記したように、ザックの内側に大型の工事用のビニール袋を内袋とする方法などで装備濡らさない工夫も必要である。
http://dougunogu.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-6859.html
アンダーウエア自体は、吸汗速乾性が必須。アウターは防水、透湿性が必須。これらに最高級品を使えとは言わないが、助けの無い単独行はこの当たりの金を惜しんではいけない。※有名ブランドで身を固める必要はありません。特売とかを上手く利用。
 では、濡れると何故寒くなるのか?それは気化熱によるものだ。水が乾くとき、液体から気体に変化する。このとき、熱が必要になり体の熱を奪うのである。気化熱については、大阪教育大学に分かりやすい説明があるので、参照願いたい。
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/netuworld/kikanetu/kikanetu.html

※参考 雪から水を作るときコッフェル(鍋)のまわりに付いた水滴を取るが、これは気化熱でコッフェルの温度を下げない為である。

② 疲労しない
日本では何故か登山に限らず自虐思考が強い。疲労=達成感?満足感?の思考が強いように感じる。先ずは、自虐にならない計画を立てるべきである。日常でも1日8時間歩いたことがない人が、重いザックを背負って1日8時間歩かないと成立しない計画を立てるのは既に間違え。せいぜい6時間以内に押さえたい。また、午後5時宿泊地到着の計画も論外である。遅くとも午後2時には宿泊地到着の計画を立てたい。登山地図より早く、誰かのブログのタイムより早くなど、どうでもよいこと。余裕のある大名登山で行こう!
その上で、装備の軽量化の工夫や計画的なカロリーの摂取が必要である。当然ながら、山向けの体力、筋力を付ける日常のトレーニングも必要である。
 カロリーについては、http://dougunogu.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-e96a.htmlに記している。

③ 低温
 1月13日のブログで「低体温症対策から見る「寒さ対策」」で記したように
http://dougunogu.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-3738.html
ただ厚着をするのではなく、重点的な保温する方法が装備の軽量化にもつながり、寒さ対策に有効である。
また、山では気温が1000m5~6℃、緯度1度で0.9℃下がると言われている。例えば東京駅35度40分と北海道の旭岳43度39分は8度の差があり、計算上7.2度は低い。更に標高が2291mあるので、12~13度は低い。ザックリ20度は低い。東京が30度でも旭日岳山頂は10度になる。正確にこの通りになる訳ではないが、目安として知り装備を用意することが重要である。

④ 風
風速1mで体感温度1℃下がると言われている。風速10mになれば、10度下がる。先に、緯度と標高で、東京駅が30度でも旭岳山頂は10度になると記したが、風が加われば東京駅が30度でも旭岳山頂では、0度になる可能性がある。これを想定しない、あるいは想定しても装備を用意しない方は、少なくとも単独行は止めた方がよい。運は何時か尽きるもの。
 風の対策は、身を低くする、物陰に隠れる、ツェルトを張る手もあるが、体感温度が下がるので、先ずは、安全と思われる場所で③による対策を行いたい。
 物陰に隠れて停滞を行う際に注意したいのは、地面に熱を奪われないようにすること。ただ、座るのではなく、お尻の下に何かを敷きたい。私は、銀マットをザックの上蓋(雨蓋)に入る大きさに小さく切ったものを装備し、休憩の際に活用している。

3.血流の流れ
低体温症の原因は、濡れ、疲労、低温、風の4つと述べたが、もう一つある。血流の流れである。寒いとき喉が余り渇かないので水分の摂取を怠ることが多いが、乾きと関係なく体の水分は確実に減っている。減れば血が濃くなり血流の流れが悪くなる。
低体温症の予防手段としては、計画的な水分の補給も忘れずにしたい。


● 参考にした本など
山と渓谷社 登山技術全書 縦走登山
山と渓谷社 登山技術全書 雪山登山
山と渓谷社 山でバテないテクニック
東京新聞 山の遭難 生きた、還った
東京新聞 岳人 2009年 11月号
東京新聞 岳人 2009年 10月号

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