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2010年3月18日 (木)

単独行の遭難対策 その7 熱中症対策

 2月23日のブログで『単独行の遭難対策 その3 低体温症対策 (体感温度の算出含む)』について記した。
http://dougunogu.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-3b6d.html
低体温症対策として、初期症状は「ふるえ」なので、単独行では「ふるえ」に至らないようにするのが望ましい旨を記した。今回は、熱中症について書く。

 単独行は、多くの事柄を基本的に人の助けを借りない自己完結が望ましい。故に初期症状を発生させないか最悪でも初期症状で抑えるのがいいだろう。

 先ず、登山における熱中症の発生頻度だが、警察庁発行の『平成20年中における山岳遭難の概況』を見ても分からない。「疲労」取り扱われている可能性もあるが定かではない。ただ、水不足に伴う熱中症と思われる、その恐ろしさについては、白山書房の山の本54巻(05年冬)でも2編ほど掲載されているので参考にするとよいだろう。http://hakusan.outdoor.cc/SAMPLE/yamano54.html

●初期症状
 熱中症は、熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病などの総称である。それぞれ個別の初期症状もあるが、第1段階(=初期症状)は、めまい、立ちくらみ、汗を何度拭いても出る、筋肉のコムラ返りがある(痛い)である。第2段階は、頭痛、吐き気、倦怠感。第3段階は、意識が無い、痙攣、高い体温などである。
※この分け方は、環境省の熱中症環境保健マニュアルによる。
 初期症状の一つ、「汗を何度拭いても出る」は、通常の出来事なのか初期症状なのか判断に迷うところと思うが、「いつもと違う」と感じたら初期症状と判断するのが妥当であろう。
第2とか第3になった場合は、積極的に救援を求めた方がよいと思う。

●熱中症にならない対策
 体温の調整反応が維持出来るようにする。
① 水分の補給。喉の渇きに関係なく、30分ないし60分前に吸水する。
 吸水量については、3月8日のブログ
http://dougunogu.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-b21f.html
 に記した式
  1時間に失う水分=体重×行動時間×5
の概ね1/2以上の量を吸水したい。例えば、体重40Kgの人が20Kgの荷物を背負い、行動時間1時間の場合、(40+20)×1×5=300ml。1時間の行動をしたら150ml、30分毎にインターバルを取る行動形態なら75mを目安に補給することになる。当然、個人差、季節でも量は前後するが、飲みたくなったから飲むではなく、定期的な補給を心がけたい。l

② 低体温症対策とは反対に、対流、伝導、蒸発、輻射(輻射)をさせるようにする。対流は厚着を避け空気の流通をよくする。透湿性素材のウエアも当然着用のこと。伝導は、休むときは木陰で冷えたところへ座るなどする。蒸発は、発汗を阻害させない。輻射(放射)は、「黒っぽい服」を着ないようにする。

ここで「黒っぽい服」について解説する。この部分の元ネタはウシオ電機のサイト。
http://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_na/thermal_radiation.html

反射率と吸収率と透過率は、次の関係がある。
式1 反射率+吸収率+透過率=1
  ここで不透明な物質(服)なら、透過率は0で式1は式2に書き改められる。
  式2 反射率+吸収率+0=1

黒体(物理用語です。大雑把に言えば理想的な黒です)は、放射率が1で吸収率が1である。式3 放射率=吸収率
である。
 式2と式3を整理すると、
 式4 反射率+放射率=1
 黒体=理想的な黒い服ならば、放射率が1なので、式4は、
 式5 反射率=0
となる。つまり、入ってきた太陽光エネルギーは、反射されずに全て吸収される=暑いことになる。従って、「黒っぽい服」は、暑くなりやすく熱中症になるリスクがある。

●熱中症の初期症状になったときの対策
① 先ず、水を飲む。イッキ飲みではなくジワジワと飲んだ方が身体に負担をかけず吸収もよい。

② 日陰があれば日陰、無ければ風通しのよいところで座るか横になる。日陰で座るか横になれば、身体の熱を地面などへ伝導させて下げることにつながる。

③ タオル、ハンカチ、無ければティシュに水を浸して、寒さ対策とは逆に頭、首、手首、を積極的に冷やす。他に、脇の下、肘の内側、太腿の内側、膝の後ろ、足の甲も有効であるが、流石に太腿の内側は躊躇するかな。つまり、脈を感じる場所が、冷やしたいときも暖めたいときも有効
・寒さ対策については、1月13日のブログ『低体温症対策から見る「寒さ対策」』
http://dougunogu.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-3738.html
で記している。
④ 筋肉のコムラ返りなど、筋肉の異変(挫いたとは違う)の場合は、活動量の割りに塩分が不足している可能性があるので塩分を補給する。塩分は、塩そのものに限らず、粉末のスープを舐めたり、煎餅を食べても取れる。※痙攣している場合は、初期症状とは言えない。

以上であるが、「水筒を忘れた」場合は、引き返すか中止、その場で2L分のペットボトル確保を考えた方がよい。


●参考になる信頼性の高いサイト
 最後に熱中症については、厚生労働省と環境省がそれぞれマニュアルを発行している。どちらも全文を読んだ訳ではないが、それぞれの省が、得意分野に重点を置いた内容になっていて、各省が個別にまとめたメリットが出ているように思える(単純に仕分けてはいけないだろう)。

1.厚生労働省 職場における熱中症予防対策マニュアル
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/0906-1.html

2.環境省 熱中症環境保健マニュアル
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/full.pdf
厚生労働省は、“職場における”であるが、持病との関係などの記載もある(第3章の4)。取り上げられている持病を列記すると、糖尿病、高血圧症、心臓病、腎臓病、皮膚疾患、精神・神経疾患、他に風邪、飲酒、朝食抜き、寝不足なども記されている。
環境省は、環境省だけあって気象との関係を含めて記されているが、厚生労働省にある持病に関する記載はない。

3.大塚製薬
http://www.otsuka.co.jp/health/heatdisorder/

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