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2010年3月 2日 (火)

単独行の遭難対策 その5 単独行向きツェルトを選ぶ

 今回は、単独行で春から秋を対象とした非常用のツェルトについて考える。テントの代わりとか雪山・冬山は想定していない。

 先ず、ツェルトはお守りではない。持っていても使える状態に無ければ何の意味もない。使える状態とは、破損等の話を除けば、「1人で如何なる状況でも利用出来るか?」にある。
ツェルトの使い方は、大きく三つに分けられる。即ち、設営する、もぐり込む(被る)、シートとして使う。もぐり込むについては、多分、誰でも出来るだろう。シートについてはどう応用するか?技量の分かれるところかも知れない。幸い、ツェルトの使い方については、アライテントやファイントラックのサイトにツェルトの活用方法が掲載されているので、それを参考にするとよいだろう。
http://www.arai-tent.co.jp/images/support/support02/03l.gif
http://www.finetrack.com/product/zelt.html

 さて、単独行の場合、『1人で設営する』がネックなると思われる。通常のドーム型テントは自立してくれる為設営を行いやすいが、ツェルトは自立しないので張り方が全く異なる。
もぐり込む(被る)を前提にするなら、何もツェルトで持つ理由はない。顔の周りが無限の空間でよいなら、思い切ってゴアテックスのシェラフカバーで代用すればよい。
 ツェルトの張り方、例えばカタログにあるような設営は、ポールを2本用意して、そのポールを、ロープを使って1人で立てることが出来るか?を考えなくてはいけない。仮に出来ても2、3分で出来るものなのか?10分は必要なのか?また、登山の書籍にある立木と立木の間にロープを張って設営するにしても、都合の良い間隔に立木があって、しかも地面は設営に向いているような偶然を、どのくらいの頻度で発見することが出来るのか?考えていると、このような疑問が次々出てくるのである。
 
先ず、単独行に向いたツェルトの条件を考えてみる。
1.形態は?寝れるタイプか?お座りタイプか?
  体力の回復、温存から寝たい(横になりたい)。
2.使い方『設営する、もぐり込む(被る)、シートとして使う。』のどれに比重を置くか?
寝れるタイプを選択するなら、1人で設営出来るものを優先したい。
3.即効性のある「もぐり込む(被る)」使い方も欲しい。
  ならば、ベンチレーションから顔を出せるモデルがいい。

 上記条件にあう現在市販されているツェルトを探す為に、私の知る限りのモデルを表にまとめてみた。参考までに座るタイプも表に加えている。また、テントの代用も出来るようなやや厚手のツェルトは除外している。表において、ベンチレーションから顔を出せる形式のものを「顔出し」と表現し、その行為が可能かどうかを記している。
_100302_2

 座るタイプの使い方は、設営より被る(もぐり込む)が優先となろう。また、アライ以外のファイントラックとニッピン(メスナー)は、ポンチョとしての使い方も可能で、しかも双方防水透湿性素材だ。
共にゴアテックスより劣る素材だが、特に透湿性は数値的には比較的よいと思う。耐水圧と透湿性は、ファイントラック1000mm、8000g/m2、ニッピン(メスナー)3000mm、10000g/m2である。ゴアテックス耐水圧45000mm以上、透湿性13500g/m2であある。※傘の耐水圧は500から1000mmと言われている。傘は圧がかからないのでツェルトやテントと比較してはいけない。
 座るタイプは、座る形で横になることは可能かも知れない。しかし、足は伸ばせないままだ。足を伸ばしたいならば、寝れるタイプを選ぶしかない。

 寝れるタイプは、選択肢が多い。MSRは床がない(カタログの写真を見る限り)。防水透湿性素材は、ファイントラックとモンベル。アライも若干の透湿性を謳った製品(エスフレッチャー)を出している。ファイントラックは、上記に記したお座りタイプと同じ素材で、モンベルはゴアテックスだ。但し、重量が740gで大幅に重くなる。特別な理由がない限り、重量的にモンベルのゴアテックスは選択肢から落ちるだろう。
 アライのシングルツェルトの透湿性は、アライ自身は開示していないようだが、サカイオーベックスのものと同じならば、耐水圧1000mm、透湿性10000g/m2で、ファイントラック並を期待出来る。
http://www.sakaiovex.co.jp/functional/sfretcher.pdf

 ベンチレーションから顔が出せると、息苦しいときとか外の様子を伺いたいときに有効だろう。アライテントはこの点不明である。一方、ヘリテイジは積極的に、顔出し可能をアピールしている。
 軽量化?の為か、通常の三角形ではなく異形のツェルトも存在する。アライのシングルツェルトとヘリテイジのエマージェンシー ソロシェルターである。後者については、岳人2009年9月号テント派縦走計画の中の軽量化の例として紹介されていた。但し、テントの代わりに使うために強度アップや雨対策などの改造を施していたので、テントの代わりは一般的ではないだろう。1人用に特化すれば、これらの選択肢もありだ。

 寝れるタイプの定番と言えばアライのスーパーライト当たりかも知れない。但し、アライの製品に限らず通常の三角型は、先に記したように設営の問題がある。
 三角型を除くとアライのシングルツェルトかヘリテイジのエマージェンシーソロシェルターになる。更に、ベンチレーションから顔を出すことやもぐり込む(被る)使い方が出来るのは、後者のヘリテイジの製品である。よって、ヘリテイジを選ぶ。

 ツェルトを購入するために、このブログを書いたようになっているが、実は上記のような思考過程を経て、昨年の8月にヘリテイジの製品を購入している。切欠は、トムラウシの遭難事故である。添付表は、当時に作成したものをリメイクしたものである。では、ツェルト購入前はどうしていたか?厚手のサバイバルシート。

 ではヘリテイジのエマージェンシー ソロシェルターなら、本当にお気軽に設営出来るか?
これは別途写真を交えてここに記したい。結論だけ記すと1人の設営に何ら問題無し。

ヘリテイジのサイト
http://www.heritage.co.jp/gear_models/zelt_em_solo.html
通販のサイトだけど、ソロシェルターの写真が豊富
http://trailmountain.jp/heritage/kobetu/emsoloshelter.html


 それとツェルトの耐水圧は、どれも傘並と言われている。傘並とは、耐水圧500から1000mm程度らしい。傘は雨漏りしないから、ツェルトも雨漏りしないと思ってはいけない。ツェルトの縫い合わせの処理によっては、そこから雨漏りもある。更に傘と違ってツェルトは中で座ったり、寝たりで、生地に圧をかける。圧がかかればそこから水は滲み込む。このようなことを知った上でツェルトを使わないと、非常時に新たなトラブル発生と勘違いをして、自分自身を精神的に追い込んでしまう可能性もある。


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