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2010年3月30日 (火)

登山の単独行の為のテント選び

 登山の単独行に特化したテント、ソロ用テント選びをまとめる。2名以上で利用する場合やオートキャンプでは、違う選択の仕方があるので注意されたい。
私が現在使用中のテントは、2008年7月にテントを購入した。今のところ買い替えの予定はないが、選択手法の紹介を兼ね当時の選択が今も妥当であったかをあわせて検証する。

 対象のメーカは、アライ、モンベル、プロモンテ(ダンロップ)、MSR、エスパース(ヘリテイジ)、メスナー(ニッピン)である。アライのOEMと思われるものは除いている。これらは、2008年7月のテント購入時に考えたメーカでもある。

1.利用条件
① オートキャンプ、ファミリーキャンプ用は対象外 → テント内で歩けるようなものは対象外。
② 登山用でもグループ用は対象外 → 完全な2人用以上の大型は対象外。
③ 春から秋まで。オールシーズンでもよし → 厳冬期に使うエクスペディション(遠征)用は対象外。加えて冬は使わない。
※ツェルト、ツーリング向き、運動会用(^o^)のテントも対象外です。

2.求めるもの
① 確実に1人で設営出来る → 風雨のあるときでも設営出来る。極めて重要。
② 軽量 → 体力維持・温存の為。
③ 出来れば、設営された現物を見たい。

3.市販品を調査する。
 現在、売られているものを表にまとめると次のようになる。プロモンテのVL-23は2名用でもあるが、1名用として利用する例が多いのでノミネートしている。また、何故1名用のみノミネートかと言えば、重量面もあるが、大きくなれば風への影響は大、そして、広い空間を暖めるには時間がかかる、整地面積が広くなり設営時間が増えるなどの理由からである。

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4.検証
① 確実に1人で設営出来る
 先ず、上記2に記した「求めるもの」の中で何を重要視するか?やはり①の1人で設営出来ることは重要である。表の中で設営に関係する項目は、設営方式である。スリーブか引っ掛けか。
スリーブ式は、テントにスリーブ、袋状のもの縫い付けてあり、そこへテントのポールを挿入し、テントの四隅にある穴へポールを指して設営する。
一方、引っ掛け式は、テントの四隅にある穴へポールを先に挿入し、ポールのみを立ててからそこへテントに縫い付けられた紐を引っ掛けて設営する。
 大きな違いは、ポールを立ち上げたときに、スリーブ式はテントの生地を持ち上げるが、引っ掛け式は、ポールを立ち上げたときはポールのみである。この違いは、風の強いときに差が出る。引っ掛け式は柱となるポールのみ立ち上げるので風の抵抗を受け難いが、スリーブ式はテントの生地が旗のように煽られてしまう。煽られる程度で済めばよいが、1人で設営している間に最悪飛ばされる可能性も否定できない。
 どちらの方式も風の影響を回避するには、先にペグダウンを行うことになるが、スリーブ式はペグダウン後にテントの四隅にある穴へポールを挿入するのが厄介が定説になっている。

 故に、1人でテントを張る単独行は、引っ掛け式のテントを選ぶのがよい。よって、MSR、プロモンテ(ブリジストン)、メスナー(ニッピン)に絞られる。

② 軽量
 次に軽量であること。MSRは、総じて軽く室内は狭いがその分前室が広く、主な荷物は前室へ置くことが前提になる。但し、高額な点が重い。
プロモンテは、軽量、前室の広さなどから登山以外にもバイクでツーリングを楽しむ方々にも人気である。ツーリングでは重量より広さを取るようで、1人でもVL-13より広いVL-23を使っているようだ。
 メスナーは、フライの無い防水透湿性ファブリック(布地)を使ったシングルウォールテント。この3社の中で若干重めである。

③ 現物が見たい。
 これについては、ここでは省略するが6の結論に少々書く。

④ ファブリック(布地)は進化したか? 
 私が購入した2008年7月当時に対して、僅かな期間であるが性能向上が見られる。
テントに取ってファブリックは、重量を左右する重要な要素である。この点に着目して話を進めたい。
当時のテントのファブリックと言えば、ナイロンかゴアテックス。ゴアテックス以外の防水透湿性ファブリックと言えば、メスナーのSFN-TEXかN-LAYERくらいであった。しかし、現在は、新たにX-TREKファブリックを使用したテントがモンベルとエスパースから登場している。
 この点をどう見るか?『レインウエアは防水透湿性がいいが、テントは防水透湿性ファブリックより普通のナイロンでダブルウォールがいい』の流れから、『テントも防水透湿性ファブリックがいい』の流れに変わってきたと言えると思う。この点は、メーカ主導でその流れを作っているのか?客からの要望で自然に変わってきたのか分からない。
 ただ、新しいファブリックは、何時の時代も否定的なのかも知れない。そんな記述が、1966年発行の河出書房の登山全書「夏山」(祖父の本?)にある。要約すると、ナイロンは防水性と値段の面で否定的で、防水加工した木綿が値段含め肯定的である。これを読んだときには正直笑ってしまった。

 テントに防水透湿性のファブリックを使用すれば、フライを使用したダブルウォール構造からフライを使用しないシングルウォール構造にすることが出来る。これによって、次のようなメリットがある。
・ 軽量化と嵩の削減
・ 設営時間の短縮(容易さの向上)
・ ダブルウォールのナイロンより生地が厚めなので、強度面で安心感がある。
逆によく言われているデメリットは、
・ 太陽光による劣化がナイロンより早い(らしい)。
・ 雨に不利(らしい)。
・ 透湿性と言っても結露がある。

 ここで防水透湿性ファブリック(布地)のメリットを重視するかデメリットを嫌うかで、テントの選択も変わる。前者ならメスナーからの選択、後者ならMSRかプロモンテとなる。

5.耐水圧の定義
 テントの試験方法は、繊維製品の防水性試験方法 JIS L 1092 B法(高水圧法)が通常使われる。これは
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
からL1092を入れて検索すると表示する(同じファイルに撥水試験も記載されている)。
 L1092の高水圧法を要約すると、水はイオン交換水、温度20℃において、150mm角の試験片=ファブリック5枚を直径113mmの枠にとめて、ファブリックの表側に1分間に100KPaの割合で水圧をかけて、裏側の3箇所から水が出たときの水圧を測る。3箇所から出ないときは1箇所ないし2箇所から出たときの水圧を測る。また、水滴レベルは対象としないとなっている。

試験には、高水圧耐水度試験機を使う。ネットで検索すると
http://www.daieikagakuseiki.co.jp/products/product.php?selected_category_no=7&item_no=77

http://www2.iri.pref.niigata.jp/test_equipment.nsf/f1c4788b868f83c9492573ef0009e893/53b0b4a8ad509313492575700007f814?OpenDocument
などある。

 JISの試験方法では、感覚的に掴み難いが、
http://www.kajimeiku.com/kiso/kiso.html

を見ると分かり易い話が記載されている。コピペだが、『水圧の目安は体重75Kgの人が座るとおよそ2000mm圧力が生地にかかる。また、ひざまずいているときには、なんと11000mmもの圧力がかかる。』(コピペはここまで)とある。
 これは、どのようなことか?圧力は、圧力=体重/面積で表される。
 例えば、20cm×20cm=0.2m×0.2m=0.04m2の面積に75Kgの人が座った場合、75Kg/0.04m2=1875Pa。これは、耐水圧1875mm以上必要に相当する。
40Kgで同じお尻の面積ならば、40Kg/0.04m2=1000Pa。これは耐水圧1000mm以上必要に相当する。同じ40Kgでもお尻の面積が半分だと40Kg/0.02m2=2000Pa。これだと耐水圧2000mm以上必要に相当する。
 つまり、狭い面積に体重が集中していると耐水性は不利になるのである。

 狭い単独行のテントでは、現実的には座るか横になるかのどちらかとなる。横になった場合、単位面積当たり最も重いのは恐らくは頭が一番。お尻付近は背中、足に分散?と思われる。頭の重さは諸説あるが重くても概ね体重の10%程度、仮に3cm×3cmにくらいに集中した場合、40Kgの人ならば、頭の重さ4Kg、4Kg/0.0009=4444Paで耐水圧4444mm以上必要に相当する。80Kgの人なら2倍なので耐水圧約9000mmが欲しいことになる。

 但し、テント内部には地面からの湿気防止にテントマット、断熱にマットレス、頭には枕(相当するもの含む)を使用する。テントマットは薄いので余り効果は期待できないが、断熱のマットレスと枕の使用で体重の1点集中を避けて分散することが出来る。また、小石などがあれば部分的に圧が高くなるが、テントの下へグランドシートを敷けば、この圧は分散される。1点の面積が2倍になれば、耐水圧的には1/2小さくてよいことになる。

 テントを使う人の体重にもよるが、マットレスなど体重の1点集中を防ぐ装備を併用するならば、耐水圧1万mmもあれば十分と言えるだろう。

 今回取り上げた、防水透湿性ファブリックは、次のような性能である。耐水圧(mm)、透湿性g/m2/24hの順に記す。ゴアテックス 45000、13500。X-TREX 20000、13500。N-LAYER 15000、11000。SFN-TEX 10000、10000。

※2010年9月4日追記
防水透湿性ファブリックの性能は、上記の通りだが、テントの俗に言うバスタブを含めた底面の部分は、ナイロンタフタPUに防水コーティングを施したものを使用している例が多い。アライテント、メスナーなどもそうであるが、この部分の耐水圧を現時点では数値で開示していないようだ。但し、MSRのカタログのテントのところを見ると、同種のファブリックを使用して耐水圧1万mmの記載がある。他社も同様と考えるのは危険であるが、山岳用テントであれば、近しい数値を確保しているのではないか?と推定する。/ここまで追記


6.結論と実際に使っての話
 私が当時選び現在も使用しているのは、メスナーのメスナーN-LAYER5050である。結論としては満足している。
ファブリック(布地)については当時も悩んだが、現在ナイロンから防水透湿性素材へ流れが出ているので間違った判断ではなかったと思っている。
 では、上記4の④にあげたメリット、デメリットはどうか?嵩の削減は若干ある。少なくともフライが無い分、設営時間の短縮と容易さはある。当然、引っ掛け式の効果は大きい。
 その効果は動画で見ることが出来る。ユーチューブでメスナーテントを検索すると、メスナーテントを取り扱うニッピンの店員さん(この人から買った)が設営する動画がヒットする。整地やペグ打ちの時間は含まれていないが、1人で2分は嘘ではない。何回やればこのくらいの時間で設営出来るようになる。

 ファブリックは当時店頭で、プロモンテのものを改めて確認したが相当薄く私は爪で割いてしまうのでは?と思えた(実際は割けないと思うが)。この点、メスナーのN-LAYERは安心感のある厚みがあった。
 防水透湿性ファブリック全般に言われる太陽光による劣化については、まだ分からない。但し、年間で何日テントを利用するか?テントを張って太陽光の下に何時間置くか?を考えればそれほど深刻に考えなくともよいだろう(取りあえず5年も使えればいいじゃん)。

 雨に不利については、防水透湿性ファブリック全般に言われているが、幸い問題を感じたことがない。但し、重量が気にならない車での移動利用の際は、フライを念の為用意している。私が選択したものは、ファブリックとしては、傘の15倍以上の耐水性があるので、フライは過剰な装備かも知れない。但し、雨天時はフライを使用しないならば、テントの内側に物を触れさせないようにしたい。
 注意すべきは、下からである。と言ってもこの点は、ダブルウォールが前提の防湿当透湿性ファブリックでないテントも同じ。テントの下に敷くグランドシート(敷いた方がよい悪いについて賛否両論あり)で対応している。底からの漏水の経験はない。ちなみにオートキャンプ用の室内で歩ける大型テントの低面の耐水圧は、1500mmから10000mm程度である。
当然ながら、防水透湿性ファブリックのテントは、シングルウォールとして使うと前室は無い。雨が降れば、荷物を前室に置けずテント内に全て入れることになる。この点は、明らかに雨に不利である。

 結露については、テント内で煮炊きすればどんなテントでも必ず結露すると思う。煮炊きせず、換気用の吹流しをしっかり広げていれば殆ど結露はない。また、人間が呼吸で排出する、つまり口や鼻から排出する水分は1日1L程度らしい。故に1時間に約40ml、8時間テントに入れば、320mlの水分を放出する(大き目のコップ1杯)。換気無しでは必ず結露すると考えるべきである。
 ついでに、人間は1分間に16から19回程度呼吸するので、1時間に960回から1140回呼吸し、1日では23040回から27360回呼吸する。1回で0.04mlの水分を口から放出している。


7.参考 防水透湿性ファブリックと防水剤、撥水剤について
  長くなったので改めて記したい。

8.テントに関して登山用品店の店員さんに相談するメリットは?
 その店員さんは、単独行が主なのか?グループで使うのか?よく確認したい。シェラフやマットレスなどは、単独行でもグループでも個人装備。故に相談すればよい情報も得られる可能性はある。しかし、テントは単独行なら個人装備であるがグループなら共同装備である。単独行としてテント利用の経験がないと十分な情報を提供出来ないと思う。

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メスナーテントの設営方法(写真による説明)

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