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2010年11月11日 (木)

登山用品 電子ライターは高山で着火し難いのは何故か(環境・ガスの成分・着火方式?)

 電子ライターは高山では着火しにくいと言われている(10回に1回着火とか)。山小屋の方々も言われているし、多くの人が感じていると思う。私もそう感じている。
 しかし、何故そうなのか?と言う説明は乏しい。
 私自身、盲目的に火打石式を使ってきた。
 ライターの着火方法は、主にガリガリっとする火打石とパチンとする圧電素子による電子ライターに分けられる。先ず、確認の為、写真の左が火打石式、右が電子式である。
Photo
 登山用のガスストーブ(コンロ)や家庭用の一部のガスレンジも電子ライターと同じく圧電素子を使用している。登山用のガスストーブも高山では点火出来ない。そこで、マッチや火打石式のライターで「もらい火」をして点火するのが実態である。
 以下、電子ライター(圧電素子を使ったもの)は電子式と呼ぶ。火打石式はフリント式と呼ぶ場合もあるが、ここでは火打石式と呼ぶ。

 さて、高山(大まかに2000m以上)においては、先に記したように火打石式より電子式のライターの方が着火し難い。これは明らかな差がある。
 では、何によって差がつくのか?仮説を考えてみる。

1.気温、気圧などの環境の差
2.火打石式と電子式では内蔵ガスの成分が異なる
3.着火方式、火打石式、電子式の差

 大きくは、上記3つに分けられると思う。

【1.気温、気圧などの環境の差】
 先ず1の気温、気圧などの環境の差であるが、同じ場所で火打石式、電子式双方のライターを点火させたときに既に差があるのだから、気温、気圧の影響は少ないとも考えられるが、ガスは温度や気圧によって性質が変わる。
 環境的には、気温だけが低ければガス圧が低下で噴出量低下、気圧だけが低ければガスは出やすい。

【2.火打石式と電子式では内蔵ガスの成分が異なる】
 ここで、2の内蔵ガスの成分が異なる点について検証する。ガスライターのガスは、通常ブタンガスを主成分としているが、他のガスとの混合比は不明である。ライターメーカの開示がない(ホームページ上に見当たらない)。
 他のガスとはプロパンやイソブタンが考えられる。こられのガスは低温に強いとされる。
ガスとしての引火温度(火の着く温度)/発火温度(勝ってに燃える温度)/沸点(ガスになる温度)は、国立医薬品食品衛生研究所によれば、それぞれ、
 ブタン -60℃/365℃/-0.5℃、プロパン ー104℃/450℃/-42℃、イソブタン -83℃/460℃/-12℃となっている(イソブタンの引火温度は、国立医薬品食品衛生研究所のHPでは引火性ガスとのみ記載なので、数値は昭和電工のHPより引用)。
 ここで沸点=気化温度に着目したい。沸点が低ければ低温に有利である(登山冬季用ガスボンベはプロパンの混合比が高い)。混合されていると思われるガスによって、燃えているときの低温への強さは変わるのである。
 写真の2点のライターを比べると、たまたまかも知れないが、ガスを分噴出させるノズルの大きさが、火打石式>電子式で、電子式の方が小さくガスの噴出量は小さいと思われる。但し、これはライターメーカの差による可能性もある(普段ライターを使わないので、いろいろ保有していない)。

 先日(10月末)、標高2400m付近、-5℃の環境下で短時間ではあるが実験を行った。先ず、電子式のノズルが小さいならばガスを全開にして噴出量を多くすれば少しは有利になる。そこで、全開で着火しないか?やはりガス全開でも着火はしない。
 では、電子式ライターのガスを全開として、火打石式ライターの炎を近づけたら、着火するか?何故か「もらい火」による着火が出来ない。この点からすると、電子式に含まれるガス成分が火打石式と異なると推察できるが、電子ライターも10回に1回くらいは自身の圧電素子で着火出来るので疑問が残る。この実験は、要再確認だ。
 当然ながら、登山用ストーブには、普通に「もらい火」は可能であった(お雑煮が出来た)。
 また、自宅で上記実験に使用したライターで、「もらい火」を試したが、何の問題も無くもらい火は出来た。どうも腑に落ちない。やはり、高山での「もらい火」実験は、要再確認としたい。
 加えて、火打石式ライターの火花のみで登山用ストーブは点火出来るかも確認したい。ちなみに電子式ライターの火花でストーブに点火は出来なかった(これは火花が外へ出ないからだと思う)。

【3.着火方式、火打石式、電子式の差】
 3の着火方式、火打石式、電子式の差であるが、着火時の火花を比べると、火花の量は、「電子式<火打石式」である。火花の持続時間も「電子式<火打石式」であり、火打石式の方が火花の量、火花の発生時間ともに火を着ける上で有利なことは明白である。

 結論として、この差が一番大きい=主体的な影響ではないか?と現時点では考えているが、ガスの成分、メーカ差、更に着火マン(電子式)では問題ないとか、確認したい点がある。機会あれば(多分来年)、実験してみたい。

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※2011年11月29日追記
 来年=2011年に確認したいと記したが、すっかり忘れていた。
 ところで、次のような記載を発見した。
 登山用ストーブ(コンロ)を製造販売しているプリムスのHPによれば(該当ページへのリンクhttp://www.iwatani-primus.co.jp/products/primus/qanda.html
)、故障以外でストーブ搭載の電子式着火装置=圧電点火装置で点火出来ない場合、次の理由をあげている。
 ① 外気温が5℃以下の場合、圧電点火装置は極端に電圧が落ちるので着火しない。
 ② 空気が薄くなっている環境では、放電力がガス流に負けてしまい着火し難い。
 ③ 吹きこぼれで器具が濡れている。

 電子式の着火マンが高山の山小屋で使える(らしい)のは、多分、小屋内の気温が、5℃以上あって①の状態にならないからと思われる。
 高山で電子式ライターを着火させようとすると、実際放電はしているので、一定以上の電圧(放電なのでかなりの電圧)はあるはずで、ガスを着火させるだけの電圧(と電流)がないと解釈するのが妥当だろう。
 ②については、電子式の着火マンが高山の山小屋で使える(らしい)のは、矛盾するように思える。

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コメント

圧電点火装置について、、、

標高約2千m、気温約20℃、晴れの状況で、バーナーの圧電式点火装置と同方式のライターとも火花が飛びませんでした。
気圧と酸素濃度は、平地よりマイナス20%位です。

バーナーメーカーは「気温5℃以下では点火しないことがある。」と説明していますが、標高1千mで気温マイナス5℃でも火花は飛んで、バーナーは使えました。

圧電点火ユニットのメーカーのHPや研究資料を見ても、気圧が1/10位程度では励起電圧の低下はありません。

直接関係は不明ですが、コロナ放電は気圧が下がると、むしろ放電しやすくなる。(約2割/2千m)

ガス放出時の電極の結露による漏電???
大気のイオン化の低下???

正しい理屈が知りたいです。

投稿: 周田啓一 | 2019年10月 4日 (金) 11時53分

コメントありがとうございます。

 この件、前々から気にはなっていますが、最近は余り追ってはいません。
 私も理論的なところが知りたいところです。

 最近、分かったことは、バーナーの設計による差もあるようです。
 SOTOのSOD-310(マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター )
 このモデル、標高2600mで2、3回のパチパチで点火しました。気温10度台後半、プリムスパワーガス(Tの缶)。
 正直、これには驚きでした。

投稿: Jenga | 2019年10月 4日 (金) 16時24分

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